2021年1月23日 11:00
不登校からひきこもりに、「ダメな自分」に苦しんだ男性を変えた“地域とのつながり”
自宅にメンタルサポートの担当者がやってきたこともある。当初は会うことを拒否した新舛さんだが、そのうち会って話せるようになった。
「その後、父親がうつっぽくなって会社へ行くのがつらそうな時期があったんです。父はその経験から僕のことも理解してくれて、サポートしてくれるようになりました。周りが理解してくれたので、僕自身は自分のしたいことをしていいと思えた。とはいえ思春期で、本当はカッコいい自分を演出したい時期でしょ。だからつらい気持ちを親にストレートにぶつけることはありませんでした」
■家庭教師に感化されてマスコミ志望に
高校へ通っているはずの10代後半、彼は新聞や雑誌を通して世の中を見ていたという。
政治や事件など、あらゆる出来事の原因と経過を考えるのが好きだった。ただ、今思えば自分のことをわかっていなかったような気もすると話す。「当時は冷静で客観的な気持ちでいましたが、実際は不登校であることを自分自身がいちばん受容できていなかったかもしれない。親は最大限、僕の主体性を尊重してくれていました。ただ、僕自身が自分の置かれている状況をきちんと把握できていなかったので、不登校の人たちが通う通信制高校や大検に関しては嫌悪感を持っていたんです」
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