2021年1月23日 11:00
不登校からひきこもりに、「ダメな自分」に苦しんだ男性を変えた“地域とのつながり”
不登校であることを認めたくない気持ちと、不登校であるがゆえに何者にもなれないという不安が交錯していた10代後半。社会の背景を知りたいという彼の願いを聞き、親が家庭教師をつけてくれた。そして、慶應大学に通っていた家庭教師に感化されてマスコミ志望となる。自分が影響を受けた新聞という媒体で、記事を書いてみたいと考えたのだ。
■理想とかけ離れた4年遅れの大学生
19歳で不登校を解消しようと高校に進学したが、卒業までに3年かかる。早く大学に行きたかったので中退して、まずは大検に合格した。どんなに遅れても大学に入ろうと決意し、そこから猛勉強が始まった。
「ぎりぎり10代で目標を見つけてひきこもりから脱し、毎日、図書館に通いつめて6時間くらい勉強しました。体力もつけないといけないから自転車で2時間くらい走り回って。遅れはしましたが22歳でようやく大学に合格したんです。4年も遅れたからにはいい大学に行かなければと思いましたが、合格したのは理想よりずっと低い偏差値の大学でした」
通い始めてはみたものの、学生たちも教授たちもモチベーションが低いようにしか見えなかった。「年齢的なこともあるし、この大学を出ても就職などできそうにない」
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