
『ニャン生訓』より(写真:沖昌之)
江戸時代から続くロングセラー書『養生訓』をわかりやすく現代語訳して解説、さらに猫写真家・沖昌之さんの猫写真を組み合わせた新感覚の健康本『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)が話題! 著者の熊谷あづささんは、執筆を通して実際に『養生訓』のチカラを実感したといいます。時代を超えて令和の私たちに響くメッセージ、そして“癒され整う”簡単健康法とはーー。熊谷さんによる寄稿をお届けします。
■現代人にも響く
江戸時代『養生訓』の教え
『養生訓』という書物があります。
今から300年も前の江戸時代に出版されたもので、著者は儒学者として名高い貝原益軒先生です。その題名のとおり、『養生訓』には心身の健康に役立つ方法がたくさん書かれています。現代でいえば、健康指南書というところでしょうか。
私はもうすぐ50歳になるのですが、実は大学生のころに『養生訓』を読んだことがあります。ただ、つい最近までの私は、記憶のどこを探しても『養生訓』に出てくる言葉も教えも見つかりませんでした。あるのは“読んだことがある”という事実だけ。
大学時代にも、風邪をひいたり悩みごとを抱えたりと心身の不調に見舞われたことがあるはずなのですが、“健康”や“養生”といった言葉は、当時の私の心にはさほど響かなかったようです。
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