2021年1月31日 12:00
恋愛トラブルで居場所を失い、人間不信に…4年間ひきこもった息子を号泣させた「母の手紙」
現在、全国に100万人いると推測されるひきこもり。近年、中高年層が増加しており、内閣府は一昨年初めて40歳以上が対象の調査結果を公表した。一般的には負のイメージがあるひきこもり。その素顔が知りたくて、当事者とゆっくり話してみたら……。(ノンフィクションライター・亀山早苗)

※写真はイメージです上田真人さん(39)のケース
ある日、東京下町の古本屋の2階で『コロナ禍に生きる、居場所を求める人が人と繋がり続ける為の本・文学』という会が開かれた。数人が集まってコロナ禍で読んだ小説や写真集を紹介し、それについてみんなで語り合う。カミュの『ペスト』やプルーストの『失われた時を求めて』の話題が出たかと思うと、元ひきこもりだった男性が当時の話を始めたり……と話題は豊富で自由だ。
この会を主宰したのは、上田真人さん(39)。過去にひきこもった経験をもつ。そのとき恋愛エッセイや心理学の本に助けられたという彼は、今もこうして本がらみのイベントを行っている。本のみならず、上田さんの芸術・文化への興味は深い。
仕事のかたわらさまざまな活動を続ける上田さんだが、「人生の方向性が見えてきたのは30歳を越えてからですね」
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