くらし情報『震災で妻を失って10年、夢中で恋していたあのころ、そして夢に出てきた妻へのキス』

2021年3月6日 13:00

震災で妻を失って10年、夢中で恋していたあのころ、そして夢に出てきた妻へのキス

何があってもついていくから」

と支えてくれた。

「幸せにするといったのに。迷惑をかけた従業員や取引先、銀行などを一軒一軒、頭を下げて回りました。恥ずかしくて顔をあげて外を歩けませんでした」

誰にも会いたくなくて、夜明け前から働ける新聞配達を始めた。やがてホテルの夜間マネージャーの仕事をするようになった。

「ホテルの宴会場などで偶然、再会した人たちが“ここにいたのか!がんばれよ”と異口同音に励ましてくれたんです。恨み言ひとつ言わずに。本当にありがたかった」

そんな町を津波は容赦なく襲った──。

一義さんは震災の半年後、市議会議員になった。全国からボランティアらが駆けつけて見知らぬ土地で奮闘する姿に触発された。美和子さんは政治的なことを嫌っていたから反対したかもしれない。

■あ~津波は夢だったんだ。いがった~

お墓にまんじゅうを供えた一義さんは、手を合わせてお経を唱えはじめた。その声が震え、詰まった。

あーあ。読経を終えると照れ隠しのようにひと息ついた。

「5年前のバレンタインデー、夢に彼女が出てきたんです。昔のままで本当に可愛かった。僕が“しばらく。なんでここにいるの”と言うと笑うんですよ。

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