だが、日本を代表する西田さえ格別の評価を与えている。
「俳優としてのポテンシャルは限りなく高いものがあると思っています。本人も頑張っていますし、表現者として素晴らしい役者」(『俺の家の話』ホームページより)
ここまで評価される役者の引退作品ながら、このドラマは拍子抜けするほどそれをPRしていない。「これで引退」「これで見納め」と煽ったら、間違いなく視聴率は上がるだろうが、やらないのは長瀬のプライドなのだろう。
■アピールはせずにやることはやる「男気」
チーフプロデューサーの磯山氏は放送開始前、次のように語っていた。
「このドラマは、長瀬くんと長期にわたって相談してきた企画であり、彼本人の思いもたくさん詰まっています」(TBS公式リリースより)
恋愛の描き方が淡泊なところにもそれは現れている。長瀬はTBS系『ごめん、愛してる』(2017年)などへの出演歴はあるものの、恋愛ドラマを避けてきた。
「恋愛に左右される男なんてだせぇと思っていた」(読売新聞朝刊、2017年7月23日付)
『ラブとエロス』(1998年、同局)から『ごめん――』まで実に20年も恋愛ドラマに出演しなかった。
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