くらし情報『【特集:戦争体験】終戦後に帰還した少年志願兵の息子に母親は』

2021年8月17日 15:00

【特集:戦争体験】終戦後に帰還した少年志願兵の息子に母親は

【特集:戦争体験】終戦後に帰還した少年志願兵の息子に母親は
鈴木忠典さんの腕や足には銃弾の傷跡が残っている
終戦から76年──。戦争の怖さや苦しさ、悲しみなどを語り継ぐため、過去の週刊女性PRIMEや週刊女性の誌面から戦争体験者の記事を再掲載する。語り手の年齢やインタビュー写真などは取材当時のもの。取材年は文末に記した。(【特集:戦争体験】第10回)



奥羽山脈のふもと。秋田県横手市で鈴木忠典さん(84)は両親ときょうだい4人の6人で暮らしていた。小学校高学年のころから同級生のあこがれは軍人だった。

学徒出陣が始まった1943(昭和18)年、14歳のとき学校に志願兵募集の通知が来た。同級生40人中5人が志願し、鈴木さんだけが合格。両親の目を盗んで判子を押し、志願書を出してしまった。

「戦争の本当の怖さなんて知らなかった。戦車を何台やっつけたという武勇伝に興奮しては、兵隊ごっこに明け暮れていましたから」

横須賀海軍水雷学校で精鋭をより抜いた特別訓練科へ。訓練は厳しく、たとえ乗り切っても「連帯責任」でしこたまブン殴られた。毎夜、消灯ラッパが鳴るのを待って宿舎のハンモックで泣いた。

約半年の訓練で戦地行きが決まった。年末に3日間の休暇を与えられ、仲間のほとんどは実家に帰っていった。

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