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長引くコロナ禍。生活基盤であるマイホームを失う人が増え続けている。いつ回復するかわからない収入、抜け出せないローン滞納、どこへ相談すればいいのかもわからない不安……。恐ろしいのは、コロナ前には贅沢も困窮もしていなかった、ごく普通の人たちがこの苦境に陥っているということだ。夢を描いて手にしたマイホームを追われた人たちの闇を追った。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい始めてから、はや1年半が経過した。リモートワークへの切り替えや、ワクチン接種の促進により、社会は落ち着きを取り戻そうと必死だ。しかし依然「アフターコロナ」は訪れない。
それどころか、コロナ禍による収入減、そして失職により、住宅ローンが返済できなくなり、家を失う人が現在も増加している。
■初の緊急事態宣言後、相談件数は約50倍に
金融庁の発表によると、ローン返済を先延ばしにする「貸付条件の変更」を申し出た住宅ローン債務者は、2020年3月末時点で1028件だった。この数字はあっという間に急増し、同年5月末で1万3395件、10月末で2万9688件。2021年6月末時点での累計件数は5万1324件と、現在もひと月当たり数千件ペースで増え続けている。
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