くらし情報『“いい娘”“いい嫁”をやめて専業主婦から小説家へ、家族の呪縛を解いて書く「人間の業」』

2021年9月11日 13:00

“いい娘”“いい嫁”をやめて専業主婦から小説家へ、家族の呪縛を解いて書く「人間の業」

“いい娘”“いい嫁”をやめて専業主婦から小説家へ、家族の呪縛を解いて書く「人間の業」
桜木紫乃撮影/吉岡竜紀
幼いころから父に殴られ、母がこぼす愚痴のはけ口になっていた。理容店を継げと言われて育ったが、父はラブホテルの経営に転身。15歳の少女は反発せず、黙って仕事を手伝った。結婚してからも“いい娘”“いい嫁”だった桜木紫乃は30歳を過ぎたとき、親と距離をとり、小説を書き始める。「家族」を小説に書くことは、「私」を解放する手段でもあった──。

■「親を喜ばせたいと思う子」だった幼少期

「8年前、『ホテルローヤル』という作品で直木賞をいただいたときに、『これで許される、親離れできた』と思いました。48歳にして少し解放されたんでしょうね」

30代半ばで、専業主婦から「新官能派」というキャッチフレーズをひっさげて作家デビューした桜木紫乃(56)。だが、彼女の小説はそんなに「甘く」ない。さまざまな作品に常につきまとう“家族”の愛憎、人間関係のほろ苦さなど、人が抱えうるありとあらゆる感情を、キレのある文章にのせて伝えてくる。その裏側で作家自らが自分の首を真綿で締めていくようなせつなさが垣間見えるのだ。そして何より「私は私として生きていく」という強さ。北海道という大地で生まれ育った桜木紫乃という作家は、その華奢な身体の中にどれほどのエネルギーと情熱を秘めているのだろうか。

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