健康保険に加入している40~74歳の人は、義務として受けなければならない。俗に「メタボ健診」といわれているのは、メタボリック・シンドロームに着目したものだからだ。
女性でいえば、腹囲90cm以上、BMI25以上が基準値オーバーとされ、保健指導を受けることになる。逆にいうと、超えていなければ、健康が維持され、長生きできると思いがちだ。しかし、実はその根拠はあまりないという。
「欧米でボランティアを募って腹囲を測り、5年後と10年後の死亡率を調べたところ、腹囲と寿命には、ほぼ関係がないという結果が出ました。また英国と米国の専門機関では、定期的に健康診断を受けている人と受けていない人を調査すると、定期的に健診を受けている人のほうが、総死亡率(すべての死因による統計)が高いという結果も出ています。いくら健診を受けても寿命は延びないということです」
岡田先生によると、欧州などでは健診の制度はあるものの、国として推奨はしていないところもあるという。米国も、ビジネス化されているので受ける人は多いが、国は推奨していないそうだ。その意味では、国が健診を推奨している日本は特殊といえるという。
日本が特殊なのは、原則すべての国民が何らかの健康保険に加入するという国民皆保険制度があるからだ。
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