そのため、基本的に全国民に職場や自治体から定期的に健康診断の案内が届く。その結果、健診も検診も当然受けるものだと、思い込んでしまうのだ。
「国民皆保険制度そのものはいいとしても、国が『健診を受けなさい』というのは間違い。いちばん問題なのは、法律で強制していることです」
岡田先生が指摘する法律とは労働安全衛生法のことで、雇い主は従業員に年1回以上の健診を受けさせなければ罰せられてしまうのである。
「その健診の中には被ばくのリスクが高い胸部エックス線検査なども含まれています。これは『すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』という憲法第二五条に違反しているとさえいえると思います」
■「余計な手術」の温床!人間ドック
こうした義務である健診に対して、任意なのが人間ドックだ。
これらはCTやMRIなど高度な医療機器を使うので、平均費用は4万~6万円と高額だ。にもかかわらず、受けている人は多い。
「CT検査はほかの検査よりエックス線量が多いため懸念も大きいです。1度の検査ですぐに深刻な状態になることはありませんが、エックス線は放射線の中でもエネルギーが強く、体内に入り込むと遺伝子を傷つける危険があります。
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