
赤ちゃんの宇多田ヒカルを抱っこする藤圭子さん(’83年)
1月19日、39歳の誕生日を迎えた歌手・宇多田ヒカル。15歳で鮮烈デビューを飾った彼女の母もまた「天才」だったーー。放送コラムニストでジャーナリストの高堀冬彦さんによる寄稿。
■母娘ともに“天才”
「さっき2個立て続けに見つけた!!!あけましておめでとうございます」
宇多田ヒカルが、こんな年始の挨拶を1月5日の自分のインスタグラムに載せた。一緒に掲載した写真は路上に落ちている2つの使用済の絆創膏。無邪気だ。
半面、アーティストとしてはもうベテランと呼んでいいだろう。まだ15歳だった1998年に『Automatic/time will tell』でデビューしてから23年が過ぎた。
この間、ずっと超A級の評価と人気を維持してきた。昨年末に終了したTBSドラマ『最愛』の主題歌で最新曲の『君に夢中』も同11月末にリリースされた途端、各種ヒットチャートでトップに躍り出た。
ボーカリストとしての特色は歌声を震えさせるビブラートと、裏声の一種であるファルセットなどを自在に駆使できるところ。だが、一番の魅力は傑出した表現力に違いない。
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