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相次ぐ無差別刺傷事件。1月15日、大学入学共通テストの初日には、東京大学前の路上で、高校2年生の“エリート学生”が、受験生などを襲撃するという前代未聞の事件が起きた。何が彼を犯行に駆り立てたのか。殺人事件も含め、2000件以上の加害者家族を支援してきたNPO法人『World Open Heart』理事長・阿部恭子さんが、同様のケースから再発防止について考える。
■背景に見える孤独と劣等感
1月15日、17歳の少年が東大前の路上で3人を刺して殺人未遂の容疑で現行犯逮捕された。無差別に人を攻撃する犯罪被害は、負傷した人々だけではなく、その場に居合わせた人など多くの人を恐怖に陥れ、心にも深い傷を与える。これから受験生を会場に送り出す親たちも不安でならないであろう。犯罪に巻き込まれた人々のケアと各所での防犯体制の構築が急務である。
昨年8月の小田急線刺傷事件、10月の京王線刺傷事件など無差別刺傷事件が相次いでいる。筆者が過去に加害者家族支援を行なったケースでは、今回の事件で報じられているようなエリート学生が起こした凶行も少なくない。その加害者の供述から伝わるのは「深い孤独」
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