くらし情報『“福島差別”に甲状腺がんの発覚、ローマ教皇に訴えたいじめ「終わらない原発事故」に向き合う子どもたち』

2022年3月11日 05:00

“福島差別”に甲状腺がんの発覚、ローマ教皇に訴えたいじめ「終わらない原発事故」に向き合う子どもたち

家の前で、母に抱きかかえられたまま、長い揺れがおさまるのを待った。

母とすぐに保育園にいた弟を迎えに行き、いわき駅に出かけた祖父を探しに出た。

駅前は地震で混乱していると見込んだ母は、全生さんと弟の2人に「必ず帰るから、絶対に車から出てはダメだからね」と少し離れた駐車場に残し、駅へと走っていった。

しかし、いつまで待っても母は戻らない。余震は続いていた。そのうち弟が「トイレに行きたい」と言い出し、全生さんは母との約束を破って、弟を近くのガソリンスタンドのトイレに連れていった。

1時間半ほどで、母が戻ったとき、全生さんと弟はわんわん泣いていた。

「弟は心細かったから泣いていたかもしれないけれど、僕は約束を破っちゃったという気持ちで泣いていた」

と、全生さん。当時8歳の自分には、地震や津波で人が亡くなるということも「ピンときていなかった」と言う。

翌朝5時ごろ、「避難をするよ」と両親に言われ「おもちゃを3つ選んでいいよ」と言われた。弟が4つ持っていきたいと言うので、全生さんは1つ分の権利を弟にあげて車に乗り込んだ。

移動中は、いつ寝て起きたのか覚えていないが、母が原発から放射性ヨウ素が放出されるのを懸念し、大量の海苔を食べさせられたことは覚えている。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
instagram
instagram
twitter
twitter
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2022 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.