
堀ちえみ
誰もがぶち当たる「親の介護と死」。それは女性有名人たちも同じようだ。コロナ禍で思うように看取れなかった阿川佐和子、施設に預けたことが認知症を加速させたのではと自責の念に駆られる真矢ミキーーー。葛藤や後悔を語る彼女たちに共通するのは親への感謝と深い愛だが、そんな中で近年問題視されているのが、老老介護ならぬ、病気を抱えた人が介護に携わる“病老介護”。2019年に舌がんを患った堀ちえみもそうだ。最近増えているという病老介護、そこに必要なこととはーー。
自分が元気であることが大前提
「高齢化社会の中で“老老介護”が取りざたされていますが、近年問題視されているのが、病気を抱えながら介護に携わる“病老介護”の人がすごく多いこと。“親は自分で見たい”と思う人も多いですが、まずは自分が元気であることが介護の大前提だと知ってほしいです」
と話すのは、介護者の支援を行っているNPO法人「UPTREE」代表の阿久津美栄子さん。要介護者の世代では“介護は子どもが担うもの”という考えの人が多く、子どもは自分を犠牲にして介護に打ち込んでしまいがちなことも懸念する。
「実際に、介護を始めてから精神疾患を抱えたり、がんを発症する人も少なくありません」
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