そのうちの1つは、59巻(1989年8月)の「激突!!成績くらべの巻」。派出所に勤務するロボット警察官が、住民らに対し、親切に道を教えたり、横断歩道を渡るサポートをする。両津勘吉よりもロボットのほうが優秀という見え方になってしまい……。
人間とコミュニケーション可能なロボットの存在は、『ドラえもん』をはじめ、ほかの漫画やアニメにも登場するため、「こち亀」独自の発想ではない。
ただ、読んでいると実現の可能性を考えてしまうし、近年のAI技術を見ているとコミュニケーション可能なロボットの実現は、そう遠くはないと思えてくる。
例えば、ソフトバンクが提供する「Pepper」。誕生したのは’14年6月で、まだロボット警察官のように二足歩行はできないが、現在では羽田空港などで案内役を務めている。
同話に両津の《落とし物や盗難届などのデータは本署と直結している》というセリフが出てくるが、現在はインターネット接続で、落とし物検索は外部からも利用可能だ。わざわざ警察署へ出向かなくてもいいというのは、ありがたい。
漫画内で所長は《わずかな距離でも、荷物をもってあげるあの姿勢が大切だと言っているんだ》と言い、親切心では両津らが勝っていることを表している。
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