
事件発生から13年を迎えた秋葉原の交差点を行き交う人々。6月8日には犠牲者を弔う献花台が設けられた(’21年撮影)
6月8日。この日は、日本中を震撼させた大きな事件がふたつ起きた日である。
ひとつは、平成13年の大阪の附属池田小学校事件。もうひとつは平成20年に起きた秋葉原無差別殺傷事件だ。
身勝手な動機から無関係の見ず知らずの人々を次々に殺傷したこの2つの事件で、犯人はいずれも死刑判決が確定しているが(附属池田小の加害者は2004年に死刑執行)、この事件までにもその後も無差別殺傷、通り魔事件というものは繰り返されてきた。
昭和・平成・令和と時代の移り変わりとともに、過去の事件と浮き彫りとなった問題点を振り返ってみたい。
繰り返されてきた凶悪事件
通り魔殺人、というと若い世代の人々は秋葉原の事件を思い出すだろうが、昭和56年に起きた深川通り魔殺人は犯人の強烈な人格やエピソード、逮捕時のブリーフにハイソックスという姿、そして被害者に幼い子ども2人が含まれていたことなどから今なお語られる有名事件である。
昭和の終わりから平成にかけて、3人以上が殺害されるという死刑待ったなしの事件においても、それが無差別、通り魔的犯行の場合、死刑が回避されるケースが多かった。
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