
元朝日新聞政治部の記者で、ウェブメディア『SAMEJIMATIMES』を運営する鮫島浩さん
『朝日新聞政治部』という本が今、話題だ。発売日である5月27日の初日になんと3刷り、3万部を超えた(6月21日現在、4刷4万部)というのだから、爆発的に売れている。著者は元朝日新聞政治部の記者で、現在は自身のウェブメディア『SAMEJIMA TIMES』を運営する鮫島浩さん(50歳)。本の帯には《崩壊する大新聞の中枢すべて実名で綴る内部告発ノンフィクション》とあり、衝撃的で、なるほど食指が動く。
「こんな政治取材はおかしい」
ページをめくっていくと、帯に偽りなし。実名で朝日新聞政治部の中枢にいた記者、経営陣、政治家が登場し、鮫島さんが入社した1994年から物語は始まる。それは日本の政治と巨大新聞社の、私たちにはふだん見えない姿。『半沢直樹』とか『ハゲタカ』とか、『白い巨塔』とか。企業や病院のドロドロを描いた小説(&テレビドラマ)があったろう、あんなふうなのだ、しかもこちらはリアル!
印象的な場面が、最初から登場する。
鮫島さんがまだ入社4年目の1997年、朝日新聞の浦和支局(埼玉県)にいたときのことだ。
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