
※写真はイメージです
SNSの普及により、事件が発生すると「加害者」の個人情報が簡単にネットに流出するようになった。それは「いじめ」問題でも同じ。犯人探しに始まり、正しいかもよくわからない情報が、第三者によって拡散されるーー。いじめ加害者の家族が受けた“社会的制裁”の恐ろしさとは。これまで2000件以上の加害者家族を支援してきたNPO法人『World Open Heart』理事長・阿部恭子さんが伝える。
隠れた被害者は数多くいる
「昔、俺をいじめた奴らは逮捕もされず、のうのうと暮らしているのに……」
犯罪者になってしまった人から、過去に受けたいじめの経験が語られることは稀ではない。不条理な経験による屈辱と傷は、「加害」に転化しうる。
いじめの加害者は複数で、事実を隠蔽されたり、否定されたりすることによって被害者が泣き寝入りを余儀なくされるケースも多々あることから、「隠れた被害者」は数多く存在し、現在もなお、人間不信や社会不信に苦しめられている人々も少なくないはずである。
そんななか、近年はいじめを苦に被害者が自ら命を絶つ事件も起きている。報道が全国化・長期化し、現場となった学校に通う生徒や地域の人々の日常生活にまで多大な影響が及ぶケースもある。
…