
1948年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長鎌田實先生
他人との縁を切らず、ほどよい距離感を保ちながら、ひとりの時間を大切に─。
長年、緩和ケアの現場で患者と向き合っていく中で、そんな“ちょうどよい孤独”を楽しむ生き方こそ、満足した人生の最期につながると感じている医師で作家の鎌田實先生。ひとり時間を楽しむ力を養うことは、自分の価値観をはっきりさせて自己肯定感を高めることに役立つという。
“ソロ活”の練習を始めよう
「人はいつかひとりになる可能性がある。自分の延命治療・緩和ケアはどうするか、夫に先立たれた後にどう生きるか。自分ひとりで決めなければならないときが必ずきます。そのときに、満足できる“自分流”の生き方を選択することができるか。ひとりで何をするか選んで過ごす“ソロ活”は自己決定の訓練にもなります」(鎌田先生、以下同)
鎌田先生は、家族や親しい友人など誰かが一緒にいるという恵まれた環境のときこそ、“ソロ活”の練習を始めることをおすすめしている。
「ひとりで過ごす訓練なしにひとりになると、本当につらい。誰かがいるという環境がいつまでも続くわけではないということを元気なうちから意識することも大事です」
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