和菓子屋「亀屋良長」の倒産危機を救った取締役女性のアイデア
この「宝ぽち袋」など、女性らしさでニーズをつかんだヒット商品が次々出るようになり、6年ほど前から黒字に転換。売り上げは右肩上がりで借金返済の計画も立った。トンネルを抜けるまで、心が折れそうになったときこそ感謝の気持ちを忘れなかったという。
「退院した夫がリハビリにヨガを習い始め、私も一緒に受けるようになりました。その先生の『どんなときでも感謝を忘れずに』という言葉にハッとさせられました。今まで商品にも職人さんたちにも、感謝が足りなかったのかなと。感謝の気持ちを忘れないで過ごしていると、アイデアが次々と形になってきたのです」
そのひとつが’16年6月に由依子さんがプロデュースした新ブランド「吉村和菓子店」。夫が病いにかかったことで、ココナツシュガーやメープルシロップ、玄米など健康に配慮した素材を使用したお菓子を考案するように。
壁を乗り越えるたびに、マイナスをプラスにする力がついていた。