くらし情報『NHK過労死記者母の慟哭「大好きな仕事で亡くなるなんて…」』

2018年7月29日 11:00

NHK過労死記者母の慟哭「大好きな仕事で亡くなるなんて…」

’05年4月、NHKに入局した未和さんは、恵美子さんいわく「みんなから愛されて、いつのまにか人の中心にいるタイプ」。新人研修の集合写真でも、桜の木の下で仲間が一列に立つ真ん中で、1人、ゴロンと横たわり、ピースサインで笑っていた。

5月に配属された初任地は、鹿児島放送局だった。事故や事件、台風などの災害現場にも足を運び、いじめ問題にも切り込んだ。

「社会的弱者に寄り添う未和らしい取材もありました。鹿児島のパナソニック関連工場閉鎖のとき、解雇された側に立ったレポートは印象に残っています」(守さん)

頑張り屋の彼女は、鹿児島弁も使いながら取材先に食い込み、記者として評価されるようになった。鹿児島で5年勤務した後、首都圏放送センターに異動になり、未和さんは都庁クラブに配属された。

’13年1月、アルジェリアでイスラム系武装集団による人質拘束事件が起き、未和さんは、犠牲になった日本企業・日揮の取材でトイレにも行けない状況が続いた。

「膀胱炎になっても病院に行けないというので、心配していました」(恵美子さん)

6月には都知事選、続く7月には参議院選があり、未和さんは取材に忙殺される日々が続いた。

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