2018年9月17日 06:00
知識ない高齢者狙い…大手銀行“ハイリスク投信”の現状
これが繰り返され、その都度、銀行には手数料が入る。
「元本から分配金も出ていたし、母もお金を使っていました。でも、投資信託の売買手数料が、高いときには50万円。そんなことが何度もあったんです」(鳥居さん)
Aさんは子どもらが何度説明しても、特別分配の仕組みを理解せず、最後まで銀行を信じ続けた。
「母の信用を裏切り、よくわかっていない高齢者にリスクの高い投資をさせる。これが大手銀行の真の姿です」(鳥居さん)
国民生活センター相談情報部の稲垣利彦さんは語る。
「銀行では預金以外にも、投資信託や生命保険など『元本保証』でない商品も扱っています」
’97年から投資信託を、’01年から保険の販売を始めた銀行。20年以上前から多くのリスク商品を扱っている。
当然、顧客にきちんと説明し、リスクを理解してもらって販売しなければならない。投資経験ゼロの人に、複雑な設計のリスクの高い商品や、元本保証を望む人にリスク商品を勧めてはいけない。特に高齢者には、厳重に注意して販売するよう、全国銀行協会がガイダンスを示しているが、守られているとはいえないだろう。生命保険の銀行窓口販売の相談件数および契約当事者が60歳以上の相談割合(’17年2月・国民生活センター)