2018年9月26日 16:00
アベノミクスの恩恵わずか…医療費にも“負担増”の魔の手
しかし、国の借金は1,000兆円を超えるといわれている。経済産業省の元官僚である古賀茂明さんは、次のように話す。
「予算をつけてしまった以上は、“国民全員に働いてもらいますよ”というのが安倍首相のスタンス。そして、その負担はシニア層にも強いることになるでしょう。まずひとつは年金。これについては、3年以内に年金受給開始年齢の選択を70歳超にも広げるようにすることに、安倍首相は言及しています」
現在、65歳からの年金の受給開始を延期することができるのは70歳まで。1カ月見送るごとに0.7%が増額されるシステムだ。
「5年遅らせて、70歳から受給すると、65歳の年金額よりも42%上乗せされます。
75歳から受給開始となった場合、さらに増える可能性が高いです」(須田さん)
受け取る年金額が増えることで、“もうちょっと働いて受給を我慢しよう”とするのが、狙いだ。
「安倍首相は誰でも70歳まで働ける社会を、と言っています。聞こえはいいのですが、’21年以降、受給開始年齢を遅らせ、70歳まで年金を納めさせる制度を確立しようと考えてのことでしょう」(古賀さん)
負担の材料はそれだけではない。