2018年10月11日 11:00
双子ママ医師は「元宇宙飛行士候補の早大法学部大学院生」
必死に働いてきて、ゆっくり空を見る時間がなかったんだと、涙が出てきたんです。ふと“あそこに行ってみたい”と思うようになりました。ちょうど同時期、日本で10年ぶりに宇宙飛行士の募集があったんです」
こう振り返るのは、南流山レディスクリニック理事で、新松戸レディスクリニック院長の江澤佐知子さんだ。当時36歳。慶應義塾大学病院の産婦人科医として研鑽を積んでいた。
「1カ月のうち、25日も当直をこなすこともありました。関連病院の診察、深夜の勤務、すべてが学びだったので、“つらい”の一言では片付けられませんでした」(江澤さん・以下同)
一通りの技術を身につけ、医学博士を取得。医師としての“土台”を築いたからこそ「いままで抑え込んできた冒険心を発散しよう」と思えたという。
JAXA応募者約1,000人の中で、江澤さんは10人のファイナリストに選ばれた。女性はたった1人。
「閉鎖空間での試験は、長時間手術をするときの手術室を思い出しました。個人への課題も、グループで協力する課題もありました。宇宙飛行士への夢には一歩及ばずでしたが、競争よりも協調が大切ということを学び、医療の世界を一歩踏み出し、広い視野を持てたことは、大きな収穫となりました」