2018年10月11日 11:00
双子ママ医師は「元宇宙飛行士候補の早大法学部大学院生」
臨床医に軸足を置きながら、’12年には、早稲田大学の法学部に学士入学する。
「海外での承認薬剤を、わらにもすがる気持ちで待つ患者さまが、日本では未承認であることで使用できないケースがあることを解明したいと思ったこと。そして治療困難な卵巣がんの根絶を願って、新薬の有用性についての論文で医学博士を取得したので、その法学的な視点から解決策を模索したいと思ったことがきっかけでした」
卒業論文の仕上げに追われていた’14年には、双子を出産。スコットランド人の夫のサポートもあり、卒論は早稲田大学法学会学術賞を受賞した。
現在は、クリニックの院長、産婦人科の臨床医、4歳の双子の男児の母、妻、大学院生、講演活動など、何役もこなす。
「海外では大学卒業後、人生経験のために1年くらい旅をして、医学部に入る人も少なくない。一方、現行の日本の制度では高校生でほぼ最終的な進路を決定し、医師になることが多いです。進路がすぐに定まらない人も、いろいろな経験をしたい人もいると思います。
さまざまなチャレンジは、たとえ失敗したとしても、必ず糧になるはず。日本の医療界にも、そんな“寄り道”ができる制度があってもよいのかもしれません」