2019年1月18日 11:00
SUGIZO「居場所を探して…」紛争地や難民キャンプへ赴く理由
より孤独感を深めていったが、そこに追い打ちをかける出来事が。
「スタッフの起こした金銭トラブルに巻き込まれました。知らないうちに巨額な借金の連帯保証人にさせされていたんです。自己破産寸前まで追い込まれてしまいました。お金や仕事や友人だけでなく、プライドまで多くを失いました。でも今ふり返ると、人生の断捨離をできて、本当に大切なものだけが残ったのはよかったのかもしれない。そう思えたのは、娘の存在が大きかった。離れてはいても、心と心でつながっていられた。
ここで死んじゃったらラクかもなぁと考えたこともありましたが、娘が、自分がこの世から去ることへのストッパーでしたね」
’11年3月11日、東日本大震災が起きたときには、バンド単位ではなく、一個人として地震発生から3週間後には現地入りした。「もちろん、ミュージシャンとして何ができるかと考えました。でも、なんにもないと思ったんですよね。凍えて、明日どうやって食べようかと考えている被災地の人たちに歌を届ける前に、まずは現地に行って、泥かきや炊き出しをするマンパワーが今は求められているのだろうと。だから、石巻でのボランティアにはプライベートで参加しました」