くらし情報『秋野暢子語る尊厳死への準備「娘のため延命治療拒否します」』

2019年2月7日 16:00

秋野暢子語る尊厳死への準備「娘のため延命治療拒否します」

「60歳を迎えた2年前、『日本尊厳死協会』に入会したんです。うちは母1人娘1人の家庭なので、娘に迷惑をかけるわけにはいきませんから」

秋野が入会を決めたのは、24年前に亡くなった母もまた60歳で尊厳死協会に入ったからだった。

「母が還暦を迎えたとき、突然、会員証を見せられたんです。『私が死ぬときは、静かに死なせてね。延命治療は嫌。お兄ちゃんにも言ってあるから、だからあんたもお願いね』って頼まれて。そのころは私も青春真っ盛りで、母もまだ60歳。母の死なんて想像すらできなかったんです」

18年後、実際に母の死を目の前にして、彼女の価値観は大きく変わることに――。


「母が危篤だと聞いて、海外にいた私は慌てて帰国。病院にかけつけたんです。しかし、すでに母の意識はありませんでした。そんなとき、医師から『一刻も早く延命措置を取らなければ、後1時間で亡くなってしまう』と宣告を受けました。私はもう頭が真っ白になって……。でも最後には“やっぱり母が望んだとおり安らかに眠らせてあげたい”という気持ちが勝り、先生にもそう伝えました」

その後も自分の選択が正しかったのか悩み続けた秋野だが、60歳の誕生日を迎えたときに自らの入会を決意した。

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