2019年2月21日 11:00
10年で実質10%減!年金を減らすマクロ経済スライドとは?
多くの国では、基礎年金の積立金は、安全性の高い国債で運用されています。こんな“ギャンブル”みたいなやり方には、問題があると言わざるをえません」
それでもGPIFは’01年からの累積の黒字額が56兆6,745億円あると喧伝している。だが、実は’14年10月以降に積み上げた黒字額は、この“大損失”で半減し、現在15兆4,000億円になった。ふたたび今回のような損失を引き起こせば、すべて消し飛んでしまうことになる。
今回の“大損失”は私たちの年金にどのような影響を与えるのだろうか。今後、保険料率が引き上げられたり、厚生年金の加入義務対象者が拡大されたりするなどの可能性が考えられる。
さらに影響は保険料率だけにとどまらない。まず考えられるのは、受給開始年齢の繰り下げだ。
北村さんは、現在50歳で今年の4月1日までに誕生日を迎えない女性、そして49歳以下の女性は年金の受給開始年齢が68歳に引き上げられるだろうと考えている。
すでに、実質的な受給額のカットは進行している。今年、マクロ経済スライドが4年ぶりに発動された。
「かつては物価が上昇した場合、年金額も同じように上昇する決まりでした。