2019年3月11日 06:00
石丸幹二「舞台上で死ねるって、俳優としては幸せな最期です」
チャップリンが映画でカルヴェロを演じたときは、今の石丸よりもうんと年を重ねていたそうだ。
「単純におじいさんのふりをするんじゃいけない。芸人として人気を博していた若かりしころのまぶしさや老いていく悲しみ……心の機微を丁寧に深く演じなければと思いました」
そのために、チャップリンの心の中を懸命に探ったという。
「この作品は彼自身の俳優としての思いも込められているんだと気づきました。後続の若手芸人に道を開いてあげて、自らの散り際にまで思いをはせる。俳優としては幸せな最期だと思います。舞台上で死ねるんですから。人生で自分の役割を果たした満足感や達成感もあるんでしょうか。
この役を演じながら、カルヴェロの人生は理想的だと感じています。自分もこうありたいと願いながら演じています」
この公演を終えると、石丸は音楽活動に力を入れるそうだ。
「東京、名古屋、大阪でオーケストラ・コンサートを予定しています。それぞれ現地のオーケストラとの共演が待っているので、楽しみです」
才能の豊かさは、チャップリンに負けない。
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