それ食べてたから、この年齢まで……ついうっかり102歳まで生きちゃった(笑)」
昨年12月、箱石さんは大ピンチに見舞われた。洗濯後、取り込んで床に置いたタオルの山に足を取られ転倒。テレビ台に胸をしたたか打ちつけ骨折、入院したのだ。
「痛かった、しばらくは声も出せなきゃ、息もできなかった」
ところが、ここからが箱石さんのすごいところ。入院していた大部屋でのことだ。
「向かいの患者さんは糖尿。隣のベッドは、やっぱり骨折した学生さん。私は肋骨2本折ったけど、治るのはいちばん早くて。
食事のおかずもいっぱい出たんだ、相部屋の患者さんには申し訳ないぐらい。看護師さんたちも、とってもよくしてくれて。生まれて初めてだった、ああいうもてなしを受けたの。竜宮城にでも行った気分だ」
何十年も働きづめだった箱石さん。ずっと寝たままという入院生活を少々、苦痛に感じ始めていた。そこで担当医師に「病院の中を歩きたい」とリクエスト。「そしたら、看護師さんと一緒で、杖を使うならいいですよ、と言われて。それで、看護師さんが病院の中を案内してくれてね。
ところが、ついつい杖をつくの忘れて抱えて歩いちゃって。看護師さんが『箱石さん、杖、杖!』って(笑)」