2019年4月6日 11:00
自宅を売っても住み続けられる「リースバック」は10年まで
月間収支は5万4,519円の不足となる。つまり年金収入だけでは、年間で約65万円も赤字が出る計算だ。
「不足分は働くか、預金などを取り崩すしかありません。一方、60代以上の持ち家率は、8割を超えています。預金が底をつきかけているのに、家だけ残っているという例は多くあるのです。かつては、自宅を売却するか、貸し出すことでしか、お金を捻出することができなかったのが、リバースモーゲージの普及で、第三の選択肢が生まれました」(豊田さん・以下同)
長年親しんだ生活環境に愛着を持っている人も多いだろう。自宅の売却や貸し出しは、引っ越しを求められるが、リバースモーゲージは住んだまま、“自宅を現金化”できる。シニア世帯にとってはありがたい制度だ。
また、住宅ローンの返済に活用することもできる。
「繰上げ返済なしで、70歳になっても働きながら住宅ローンを払い続けていた人が、リバースモーゲージを利用して住宅ローンを一括返済。退職して、年金と貯金で生活費を賄う生活が実現できた例もあります」
ただし、この制度は誰でも利用できるわけではない。金融機関のリバースモーゲージを利用する場合の条件は、年収120万円以上。