2019年4月18日 16:00
現在50歳会社員世帯は年金68歳支給開始、2割減の可能性
「厚生労働省は6月にも、年金の将来的な給付の予測を、令和になって初めて発表する予定です。最悪のシナリオだと、およそ15年後に、年金額が20%も減額される可能性があるんです」
こう話すのは、財政制度に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。年金財政は、人口の減少や構成比率、経済情勢などによって不安定化する恐れがある。そのため、日本の年金制度では「5年に1度」、最新のデータを基に、給付される水準を検証することが法律で定められている。
「これを『年金財政検証』と呼び、前回は『平成26(’14)年』に実施されています。その最新版となる『令和元年財政検証』が、厚労省の社会保障審議会年金部会で行われていて、前回までの例にならえば、この6月をめどに公表される見通しです」(加谷さん・以下同)
「財政検証」の柱となるのが、将来の年金予想。これを理解するには、まず「所得代替率」という言葉を理解しなければならない。所得代替率とは、「現役男子の平均手取り収入の額」に対する「夫婦2人の基礎年金+夫の厚生年金(=世帯の年金受給額)」のこと。
「まず、厚労省は年金のモデル世帯を、夫が元会社員で厚生年金を受給している夫婦と設定しています。