2019年4月25日 06:00
死刑確定から10年…林眞須美の長男、結婚を前に母へ思い巡らす
「もう娘には近づかないでくれ」
婚約者の彼女もまた、激しく彼を責めた。
「あれほど言わないでとお願いしたのに。なぜ、話したの」
信一さんは、決して衝動的な行動ではなかったと、2年前の決断をふり返る。
「事件から逃げることは可能だと思った。でも、そうすれば、母親がやったんだと、僕自身が認めたことにもつながる。和歌山を離れ、彼女と結婚して、新たな生活を始める。それが、母を見殺しにするような気もして」
家族は、今も母親の無実を信じている。
死刑確定から、林死刑囚は外に出ることもなく歳月を重ね、57歳となった。
現在も、’17年3月の再審請求棄却の直後に弁護団は大阪高裁に即時抗告をしており、その結果を待つ状況が続いているが、再審の扉が簡単に開くとは思えない。信一さんは語る。
「マスコミから取材を受け、『母親を信じているか』と、よく聞かれます。でも、カレー事件では犠牲者が出ているから、遺族のことを思うと、安易に『信じている』とは言えない。私としては、『信じていたい』というのが精いっぱいなんです」
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