2019年5月31日 11:00
“退職金運用病”に用心!再雇用でも年間100万円の赤字も
「たしかに企業年金は定期的な安定収入になるというメリットがありますが、終身払いでもない限り、受取り期間はいずれ終了します。企業年金があるという前提で生活をしていると、受取り期間が終わったときに、いきなり年間収支が大幅に赤字になってしまうという方も多いのです」
深田さんは「家計の見直しの難しさは昔よりも増している」と考えている。
「昔は定年退職すると、会社に行かなくなることで、『これからは年金生活だから何か見直そう』という意識が生まれました。ところが、今は法律が変わり、再雇用で働く人が増えています。ネクタイをして会社に行く日常が続くため、家計の無駄を見直す意識が持てない。給料が安くなっているにもかかわらず、そのままの生活を続けてしまうのです」
大手企業に勤めていたある男性は、定年後に再雇用され、給料が19万円と大幅に下がったのに、現役のときと変わらず、毎月24万円の出費を続けていたという。
「その男性は、毎月5万円のマイナスに加え、再雇用でボーナスがなくなったにもかかわらず、夏と冬のボーナス期には、以前と同じように、それぞれ20万円も支出していました。これだけで年間100万円の赤字になりますが、足りない分を退職金で補っていた。