2019年6月7日 06:00
高橋里華に学ぶ「義父母の介護」夫とは“本音で話す”が大事
義母に促され、受診しました」
脳神経外科ではレビー型認知症と診断された。その後悪化していったのは、肝硬変を患っていた義母が’17年に他界したころからだ。
「『ばぁさんどこへ行ったんだ』と探すのです。『ばぁばは亡くなったでしょう』と告げると、悲しい顔をして。時がたつとまた探すことの繰り返し。つらかったですが、認知症といってもごまかすことはしないと決めて向き合っています」
悲しみも癒えぬ間に、義父の徘徊が頻繁になっていく。一晩中付き合ううちに里華さんが睡眠障害に陥ったこともある。また、レビー型は幻聴・幻視の症状が現れる傾向があるが、それを否定してしまうと不安にさせてしまうので、“ノリ”が大切だという。
たとえば、「お尻をカニさんが挟んでいるよ」と訴えられたときは、「見せて」と言い、チクリとつねって「はずれたよ」と安心させてあげるといった具合だ。
「夫はノリ下手で、真正面から『そんなわけないだろ!』と否定してしまう。『ノリをよくして』と頼むと、『わかった』といいながらも……。実の子どもとしてはイライラしてしまうんでしょうね」
夫に対しては「わかってくれない」という葛藤もあった。しかしいまは、義父の就寝後、時間をつくり本音で話すようにしている。