2019年6月7日 11:00
“介護離婚”を決定づけるのは親への依存度…弁護士が解説
しかし、このときの選択を、ふじ江さんは悔い続けることになる。
「義母は身の回りのことは自分でできたので、子どもたちを保育園に預け、仕事を再開したんです。義母にとっては私が子どもを連れて出勤したほうが、静かでくつろげるかなと思って。義母は『自分の食べるぶんは自分で』というので、買い物だけを私がして、夕食は好きなメニューを自分でこしらえていた。でも、それがいけなかったんです」
義母は2週間で倒れてしまい、搬送され、緊急入院となる。ふじ江さんは毎日仕事が終わると介護のため病院へ駆けつけていたが、結局帰らぬ人となってしまう。
そして、このことが、元夫の心がふじ江さんから離れてしまう原因となる。元夫は、この期間の介護について、後に「何から何まで至らないことばかりだった!」と、調停や裁判で主張。
入院中の介護も、「訪れても洗濯ばかりして、部屋で付き添うことをしなかった」と指摘された。「私は義母には誠心誠意尽くしたつもりでしたから、なぜなのか?と信じられない思いでした」
ふじ江さんは悔しさをにじませるが、未緒さんはこう分析する。
「母の『私なりに尽くした』というのは独りよがりなんです。『お父さんはどうしてほしいの?』と尋ねたことは一度もありません。