2019年6月7日 16:00
「義父母の介護」乗り越えるには“親の時代の歌を聴かせるべし”
【1】自己イメージを傷つけない
「気丈だった母の誇りを傷つけぬように、表舞台からの引退もやんわりと『80歳はもう定年ですよね?』といった感じで勧めました」
【2】ひとりにしない
「義母の夕食の時間は18時と早く大変でしたが、間に合うように夕飯を作り、できるだけ皆でにぎやかに食卓を囲むようにしました。義母がひとりにならぬようにしたのです。息子たちはずっと義母に見守られながら成長してきました。今度は闊達な義母の老いていく過程を見守り手助けすることは、彼らにとっても大きな人生勉強になったのではないでしょうか」
また、美子さんはなんとか義母の認知症の進行を遅らせられないかと思案。5分前のことを忘れてしまうようにもなっていたていさんだったが、昔の話を好み、生き生きと話す。そこで’01年に義母に旧満州(中国東北部)再訪を提案する。
「義母の人生の原点は、満州からの引き揚げ体験。大学生を頭の息子3人も加わり、家族全員で訪れました。
義母が昔を思い出すよすがとなり、要所要所で覚えていることを家族に伝えてくれました」
【3】輝いていた時代の歌を聴かせる
「義母の時代は満州事変以来、戦争ばかりでしたが、素晴らしい流行歌は健在で、主人が懐メロのCDを聴かせ、義母の好きな藤山一郎などを歌ってあげていました」