2019年6月8日 11:00
渡辺えり 認知症両親の介護明かす「する側の人柄で症状変わる」
「ニコニコと話しかけてくれるところでは、母もニッコニコなんです。でも、全然話しかけてくれない人だと、暗くなってしまう。認知症でなくてもそうじゃないですか。黙って無表情でいられると心が冷えて気がめいってきますよね。いつでも声をかけ、ポンポンと直接触って接してくれる。花でも水やらないと枯れてしまうでしょ」
後悔はたくさんあるが、ひとつだけ、両親にやっておいてよかったなと思うことがあると渡辺は語る。
「15年前、母親から急に『どうも認知症になりそうだ』と電話があったんです。今までこうしてくれとか何も言ったことがなかった母親が、初めて。
『元気なうちに、旅行に連れてってくれ』と。行きたいところを聞いたら、伊勢神宮と出雲大社と、日光東照宮と広島の原爆資料館の4つ。それで必死に10日間休みをつくったんです。そのときはまだ両親も元気で、移動の際も私のトランクを持って走ってくれて、すべて時間どおり、間に合ったんです。母親と一緒に露天風呂に入って背中を流し合ってね。本当によかった。当時の写真は母もいまだに喜んで見ています」
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