くらし情報『東大入学式の式辞を生んだ上野千鶴子さんの“女性学の原点”』

2019年6月17日 16:00

東大入学式の式辞を生んだ上野千鶴子さんの“女性学の原点”

それを専業主婦の母が耐えつつ支え、父方の祖母が同居で嫁姑問題もあって。私は、5つ年上の兄と、2つ下の弟にはさまれた一人娘で、ねこっかわいがりされました。いわばペット愛ですね」

1948年7月12日、富山県に生まれた上野さん。活発で、超がつくほど好奇心旺盛。夏休みの課題で、家の前の道路に小銭を置いて物陰から人間観察したことも。10歳の正月、父が兄と弟に将来の話をしていたので、上野さんも自分について尋ねた。父は、「チコちゃんは、かわいいお嫁さんになるんだよ」。瞬間、私は期待されないんだ、と疑問が浮かんだ。


「えっ、お嫁さんって、お母さんのようになるってこと?これが私の将来だとしたら、あまりに割に合わないと。母は、私たちに『離婚したいけれど、お前たちがいるからできない』と愚痴りました。そうやって自分の現在の不幸の原因を、子どもに負債として背負わせる普通の日本の母でした」

中学に上がるころには、疑問はより鮮明になっていた。

「おまけに、母と気の強い祖母との同居は35年続きました。でも、私は孫娘として祖母にもかわいがられました。一人ひとりは悪い人でなくても、長男の嫁や姑、家父長という立場にはまると、こうなる。

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