2019年8月30日 17:37
セーラームーン人気なぜ続く?原作終了から22年もコラボ続々
また戦闘中でもキラキラしたアイテムを身につけていた。稲田氏は「セーラームーンは、戦うからといって『美しさを犠牲にする必要はない』と思わせてくれた作品」と分析。そして「キャリアを積むため、女性らしさや恋愛を犠牲にしない。すべて100%叶えたいけれど、それは男性や恋愛のためではなく自分のため。そういった女性像を描いた、日本での原点的な作品といえるでしょう」と評価する。
また美術を専門とする沖縄県立芸術大学准教授・土屋誠一氏は同作について「結果として『女性の解放』を描いたといえる」と解説。さらに「多様性の器にもなっている」と言う。
「作品には性格や髪型や境遇といった面で異なる、“あらゆる少女たち”が描かれています。
制作側がどこまで意識していたかはわかりませんが、観る側のジェンダーロールの多様性を確認するきっかけとなっていました。そしてストーリーの性質上も、『いろんな人がいるほうが楽しい』と気づくことができる内容になっていたと思います」(土屋氏)
さらに敵キャラクターのクンツァイトとゾイサイトは、アニメ版ではゲイカップルという設定だった。土屋氏はこの点にも注目する。
「作品では彼らのセクシャリティを否定するのではなく、シリアスな扱い方をしていました。