2019年9月27日 11:00
台湾の300倍にEUの600倍 日本の緩すぎる残留農薬基準値
農薬から検出される発がん物質といえば、除草剤ラウンドアップの主成分である「グリホサート」に関する訴訟が、昨年話題となった。WHO(世界保健機関)の専門組織である国際がん研究機関は、グリホサートの発がん性を認めている。
昨年アメリカで行われた訴訟では、発売元のモンサント社に対して、グリホサートが原因で悪性リンパ腫を発症したという男性に、約87億円の支払いを命じる判決が出た。
ネオニコチノイド系農薬について『知らずに食べていませんか?ネオニコチノイド[増補改訂版]』(高文研)などの著書がある水野玲子さんが、次のように説明する。
「ネオニコチノイドは、たばこの有害成分『ニコチン』に構造が似ているため、『新しいニコチン様物質』という意味で名づけられました。作物のあらゆるところに浸透しやすく、残りやすいため、殺虫効果の持続性が高い。一方でほかの殺虫剤と混ざると毒性が倍加し、ミツバチへの毒性が1,000倍になるとの報告もあります。生体の中に入るとより毒性が増すという特徴も。
さらには、脳の情報伝達にも悪影響を及ぼす恐れが指摘されているんです」
このような重大な作用を及ぼす危険性があるネオニコチノイド系農薬。