2019年9月27日 11:00
台湾の300倍にEUの600倍 日本の緩すぎる残留農薬基準値
日本茶輸出促進協議会が発表した「輸出用茶残留農薬検査事業実施報告書」には、次のような分析結果が記されていた。
’15年6月から7月に輸出用日本茶99点を調べた結果、ネオニコチノイド系農薬のイミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、チアクロプリドなどが含まれていた。そのうちチアクロプリドは前述のとおり、発がん性が指摘されている農薬だ。
水野さんがその背景を指摘する。
「そもそも日本の残留基準が緩すぎなんです。人が摂取しても安全な基準として各国が定めている『残留基準値』で比べると、『茶に残留するチアクロプリドの基準値』は、日本はEUの3倍、台湾の300倍も緩い値を設けているんです」
水野さんは続けてアセタミプリドの残留農薬基準値を挙げて日本の基準の緩さに言及する。
「アセタミプリドは日本の基準値があまりにも緩すぎたため、改正し基準値を厳しくした農薬です。しかしその数値さえ、茶葉でいうとEUのなんと600倍なんです」
同じアセタミプリドでは、EUと比べ「いちご」で60倍、「ぶどう」で10倍など、平均して設定が緩すぎる日本の基準値。
しかも世界の流れに背いて日本は正反対の「基準緩和」