くらし情報『新朝ドラヒロイン“モデル”陶芸家・神山清子さんの壮絶半生』

2019年10月28日 11:00

新朝ドラヒロイン“モデル”陶芸家・神山清子さんの壮絶半生

少し前に会社を辞め、陶芸家として独り立ちした夫は、芸の肥やしとばかりに、女遊びにうつつを抜かすようになった。

「急にな、旦那が穴窯の周りに結界みたいな縄を張って、『生理のある女は入るな』やて。ほんで、私が展覧会に出そう思うて作ってたもの、みんな外に放り出されてた」

真冬にバケツで冷水を頭からかけられたことや、鉄の棒を振り回し「殺す!」と脅されたことも。思うに、夫に巣食っていたのは嫉妬心だったのかもしれない。

間もなく2人は離婚。神山さんは38歳になっていた。

「結婚は失敗に終わってしまったけど、私にはまだ穴窯がある、そう思って、改めて焼き物に向き合うことにした」

ある日、長男・賢一さんが古代の窯跡で陶器の破片を拾ってきた。美しい深い緑色の光沢を放つそのかけらに、釉薬は使われていなかった。


「これこそが、私が作りたかった本物の信楽焼、自然釉やーー」

確信した神山さんは、自然釉の研究に没頭。離婚後でお金がなくて弟子からお金を借り、子どものお年玉を使い込み、パンの耳を食べ、すべてを研究と実験につぎ込んだ。しかし、失敗続きで、何度焼いても、思うような色は出ない。

「次、あかんかったら、しばらく休業して出稼ぎに行くしかない」

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