2019年11月29日 18:00
『隠れビッチ』原作者の壮絶過去 父の虐待で自尊心を喪失…
しかしいっぽうでパートナーには“愛されている証拠”を求め、大声で怒鳴るなど理不尽な言いがかりをしていたという。
「私は大きな声を出すほど『気持ちが伝わる!』と思っていた時期がありました。もちろんそんなことないと後で気付くのですが、父親は酒乱で怒鳴り、母親も泣き叫んでいたので大人はみんな基本大声。それが日常だったの私の中の感覚はズレてたんです。また、一番はじめに出会う人間、親と信頼関係を築けないまま、他人を無条件に信じることはやはり不可能で。せっかく好意を持ってそばにいてくれる人のことさえも疑ってしまいましたね」
あらいさんは、自分のなかで“ルール”を決めていたという。
「ヤラせない、これにつきました。原作や映画に出てくる“アヤ”は寂しや急ぎ過ぎた愛情表現ですぐに体を重ねてしまうのですが、私はそうしませんでした。
病気や妊娠が怖いという気持ちもありましたが、裸の体を見せることは、私からすると清純派の武装を解くこと。私が私に戻ってしまう。だからヤラせない隠れビッチとなりましたが、ヤラせないことで口説く側も本腰入れてチヤホヤしてきますし、私にとっては結果オーライとなりました」
出版後、あらいさんのもとには『こんな状態で社会に出てくるな』『病院行けよ』といった厳しい声が寄せられることもあったそうだ。