2019年12月13日 06:00
「遺言書があっても無視する長男」“争族”になる家族の特徴
は、それなりの遺産がもらえると期待したが……。
「まったく父の遺産はありませんでした。同居していた姉家族が使い込んでいたんです。体が弱ってくるにつれて、親は同居する家族にキャッシュカードを渡して『○万円おろしてきて』となり、やがて金銭の管理を一任するようになるものです。実際にこの姉は、ちょくちょくお金を引き出していたんですが、『私は介護の負担をしている』との自負もあり、使い込みも正当化。素子さんは、父の通帳を見せるように迫り、弁護士を立てて争うことになりました。私はよくお客さんに、『親の財産が心配なら、親のそばに住みなさい』と言います。相続において、そばに住んだり、同居している家族に有利に運ぶことが多いのです」
【争族2】逆恨みする長男が遺言に不服で弁護士を
90歳で亡くなった花子さん(仮名)には2人の息子がいた。
長男(68)は地元の高校を卒業した後、地元企業に勤め、現在は年金暮らし。幼少期から成績優秀だった弟(63)は一流大学で、海外赴任経験もあるエリートサラリーマン。自分の勉強不足を棚に上げて、「弟と違い、大学に行かせてもらえず、収入に大きな差がついた」というのが長男の口癖だった。