2019年12月28日 11:00
生前退位は画期的…美智子さまお支えになった新しい皇室の形
その意義について、歴史学者で静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さん(67)は語る。
「高齢となられた天皇が公務を担えなくなるという人間的な課題を自ら表明し、それに国民が共鳴して、天皇の“生前退位”を実現させたことは、長い歴史の中でも最も画期的なことでした」
そして今年5月、平成の天皇は譲位されて上皇となり、30年以上もの間、皇后として共に歩んできた美智子さまも上皇后となられた。
譲位後、上皇ご夫妻は、3食を必ずご一緒にとられ、早朝の東御苑などでの散歩を日課にされていると、10月の美智子さまのお誕生日に宮内庁から発表があった。
ふり返れば、常にマスコミにも注目され続けた60年間だった。長くジャーナリストとして皇室を取材してきた渡邊満子さん(57)はこう話す。
「皇室は、日本の縮図でした。そんな中で、美智子さまは、広く報道にも目を通されて、国民の思いを感じ取り、全身全霊でどう行動すれば良いかと考えるプロデューサーでもいらっしゃった。皇室に嫁がれて以降の美智子さまの真摯なお姿に心服し、応援する国民も増えていったのだと思います」
前出、小田部雄次さんは語る。
「皇室だけでなく、戦後日本の生活様式をけん引したという点では、天皇陛下(上皇陛下)