2020年2月6日 06:00
開発進む新型肺炎ワクチン 完成までアルコール70%で消毒を
検査では、見逃しやすい無症状や軽症の感染者も発見しているので、これも感染者数が増えた要因かもしれません」
もちろん、油断はできない。
「中国では感染者1人が2.5〜3人にうつしていると考えられています。感染者が増えれば、日本でも流行は起こりえるでしょう」
そこで期待したいのが、抗ウイルス薬だ。科学技術の発展と幸運が重なったことで、急速に開発が進んでいるという。
「SARSのときはウイルスの遺伝子情報を集めるのに約1カ月ほど時間が必要でしたが、今は1日で解析できています。迅速に新型コロナウイルスの全体像を知ることができているのです」
調査の結果、新型ウイルスはSARSやMERSと似ていることが明らかに。
「これが幸運でした。SARSは’02年から18年も研究が続けられており、ウイルスの持つタンパク質の種類や性質はすでに判明していた。
その知見を新型ウイルスに応用することができたんです」
注目されたのはウイルスの増殖に関わるタンパク質。この働きを阻害する物質を見つければ、ウイルスの増殖を抑える薬を作ることができる。「さらなる幸運は、開発されていた薬のなかに、阻害効果の期待できるものが複数あったことです。