2020年2月5日 23:01
氷塊落下、市街地墜落の危険…羽田新ルートはこんなに危ない
(杉江さん・以下同)
新ルートで車輪を出すタイミングは、新宿から渋谷、品川の上空にかけて。
「危険なのは車輪を出すときだけではありません。着陸に向けて翼の可動部分を下ろすのですが、そのときに振動が発生します。埼玉県上空から板橋区、練馬区に氷塊が落下する可能性もあります」
落下物は氷塊だけではない。国交省によると、’17年3月末までの8年間で、整備点検などで航空機の部品脱落が確認されたのは451件。そのうち空港内で発見されたものは91件。発見されなかったものは360件あった。ただし、この報告件数は国内航空会社のみの件数で、外国の航空会社は含まれていない。
ちなみに、’16年度までの10年間で、地上で落下物が確認された件数は、成田空港周辺では19(部品13件、氷塊6件)、羽田空港周辺では0件。だが、昨年9月には、ANA機のパネルが茨城県の工場に落下。大阪ではKLMオランダ航空機のパネルが落下し、走行中の乗用車を直撃するという事故が起きている。
杉江さんがいちばん危惧していることは最悪の事態を招く“墜落”だ。’94年4月26日、台北発名古屋行きの中華航空140便が名古屋空港の滑走路近くに墜落、機体は大破、炎上し、乗員乗客264人が死亡、7人が重傷という大惨事があった。