2020年2月7日 15:50
銀行に手数料は払うな、荻原博子語る「ネットバンキング」
それだけ使っても実施するのは、大きなコスト削減につながるからです。
たとえば印紙税です。紙の通帳には年200円の印紙税がかかります。三菱UFJ銀行の個人客は約3,400万人ですから、印紙税だけで年60億円以上負担しています。キャンペーンで10万人がEco通帳にすると、年2,000万円が節税でき、プレゼント総額の1億円は印紙税5年分で元が取れます。
また、紙の通帳自体にもコストがかかります。通帳を紛失した際、再発行には1,000円程度の手数料が必要です。通帳は特殊な加工も多く安いものではないのです。
それを無料で提供するコストが、Eco通帳ならいりません。
銀行は、長引く不況やマイナス金利政策などの影響で、厳しい局面にあります。人を減らし、店舗を減らし、身を削ってコスト削減に向かうなか、入出金や振り込みなど簡単な取引は人件費の高い店舗に来ないで、ネットバンキングですませてほしいのです。
そのため、たとえば振込み手数料は、店舗窓口→ATM→ネットバンキングの順に安くするなど、手数料に差をつけ、ネットバンキングに誘導しようとしています。Eco通帳もその一環で、残高をATMや窓口での照会からインターネットで確認するようになれば、ネットバンキングの利用が増えると考えたのでしょう。